2004.11.23
めっきり寒くなってきました。店長の木村です。
今回は、コーキング剤の基礎知識講座をちょっとしてみようと思います。
時々、間違った使い方をされているんじゃないかと思うようなお問合せを頂いたりします。知っておられる方には釈迦に説法かもしれませんが、例えば「いつか塗装する可能性があるので変成シリコンでしておこうと思うのですが・・・」とか「コンクリートのヒビ割れ部にとりあえずコーキングを打っておこうと思うんだけれど・・・」とメールを頂戴いたします。最初のほうは、変成シリコン系のセメダインPOSシールのページにも載せているのですが変成シリコン系では塗装できる時間は限られております。後のほうは、コーキングとは少し違うのですがコンクリート・モルタルのひび割れにボンドクラック補修用キットというのがございます。
コーキング剤(シーリング剤)は1成分形、2成分形があり、ツールファーストで1成分形を中心に載せていますが、2成分形でも性質は類似しています。使い分けと特徴を下記の表にまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。
|
シリコン系 |
変成シリコン系 |
ポリサルファイド系 |
ポリウレタン系 |
性能 |
耐久性 |
耐候性 |
10
|
8
|
7
|
5
|
耐動的疲労性 |
地震・風 |
10
|
9
|
8
|
7
|
温度差 |
10
|
9
|
5
|
5
|
接着安定性 |
8
|
8
|
8
|
8
|
接着性 |
ガラス |
10
|
不適
|
7
|
不適
|
アルミ |
9
|
9
|
9
|
8
|
モルタル |
9
|
9
|
9
|
9
|
耐汚染性 |
吸塵 |
5
|
5
|
10
|
6
|
部材周辺 |
汚染する
|
8※@
|
9
|
8
|
被吹付け性 |
付着しない
|
5
|
汚染する
|
9
|
JIS耐久性区分 |
10030※A
|
9030※A
|
9030※A
|
8020※A
|
適用部位 |
ガラス廻り |
◎耐久性・ガラス接着特性が特に良好 |
×不適 |
○耐久性・ガラス接着性中程度 |
×不適 |
金属
|
方立・無目ジョイント |
◎耐久性が特に要求される部位(耐久性特に良好) |
○耐久性が特に要求される部位(耐久性良好) |
△耐久性が特に要求される部位(耐久性中程度) |
×耐久性に問題 |
パネル・笠木 |
○耐久性・アルミ接着性は良いが汚れやすい |
◎耐久性・アルミ接着性良好 |
△汚れにくいが耐久性は中程度 |
×耐久性に問題 |
ALC版
|
塗装あり |
△汚れやすい、塗装が付着しない |
○耐久性は良好 |
×塗装が汚染される |
◎塗装によって耐候性がカバーされる |
塗装なし |
△汚れやすい |
◎耐久性良好 |
△耐久性中程度 |
×耐久性に問題 |
石
|
×石材汚染あり |
○石材汚染中程度※@ |
◎石材汚染※B |
×耐久性に問題 |
凡例
|
適用部位欄:◎適している/○使用可能/△適さない/×使用不可 |
備考
|
「性能」のところの数字は数字の大きい方が良好という事です。
※@ 大理石を除く
※A 10030の100の部分は圧縮加熱温度を表し数字が大きいほど耐熱性が高い。30の部分は目地幅の拡大・縮小の%を表します。
※Bフェノールを含むものは、石材の目地周辺を変色させる事があります。 |
その他のコーキングで2時間耐火構造物の目地に適用できるボンド耐火目地シーラント120や難接着なフッ素樹脂塗装鋼板、各種カラー鋼板等にボンドマルチコークなどもあります。
アロンアルファなど瞬間接着剤を新しくアップいたしました。こちらもよろしくお願いいたします。 |