平面に広く塗布する場合は、均― にムラのない接着剤層をつくるためには、スプレッダで塗布するのが最も良く、手塗りの場合はヘラよりハケ、ハケよりハンドローラの方が適しています。一般にヘラで広げた後、ハンドローラで塗布します。多少でも凹凸があると、つき板など薄い材料は塗装後に目立ってきます。塗布量ほ被着材の種類とその塗布面の粗さで異なり、あまり厚く塗ると表面にしみ出し、少なすぎても吸い込みによる欠影をつくり、接着不良になります。多孔質な接着面ほど充分に、粗面は平滑面より多めに、または両面に塗布します。
速乾ボンドG10Zのはり合わせ可能時間の目安 |
冬(5℃ )
10〜 20分
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春・秋(20℃ )
5〜 30分
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夏(30℃ )
5〜 45分
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・ 手作業による塗布具の種類(3-1)
・ 機械による塗布(3-2)
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スプレーガン方式
最も良く用いられる方法の一つで、合成ゴム系接着剤(ボンドスーパーGスプレーZ、ボンドG99など)に使用されます。
〈特長〉
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塗布作業が能率よく速くでき、広い面積の塗布に有効です。
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塗布にムラが少なく、均―な塗膜ができます。
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接着剤がノズルから被着面に達するまでに大部分の溶剤が揮散するので、オープンタイムを長くとらなくて済みます。
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ウレタンフォームのように多孔質で吸い込み性があっても、接着剤が内部に浸透せず、表面に有効な層を形成します。ノズル口径はエアースプレーガン方式で一般に1.5〜3.0mm位です。
〈手作業用スプレーガン〉
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重力式スプレーガン
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吸い上げ式スプレーガン:材料タンクが下にあります。
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圧送式:液に圧力を加えて吐出します。
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エアレススプレーガン:プランジャーポンプで液に圧力を加えて噴出させます。
塗布速度が速い特長があります。
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ニ液スプレーガン(同心型、双頭型、混合器型):主剤、硬化剤などの二液を別々のノズルから同時にスプレーします。
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モルタルガン、リシンガン:砂、小砕石などを含んだものをスプレーします。
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ロールスプレッダ
塗布量を均―に、効率良く行えるので、合板のような幅広や長尺ものの塗布を、流れ作業に組み入れられます。被着材の片面に接着剤を塗布するシングルロールスプレッダや2本の塗布ロ―ルで両面に塗布するダブルロールスプレッダがあります。
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フローガン
粘度が400mPa・s以下の接着剤に適用されます。ノズル先端を被着材表面に垂直に立てて滑らせるように塗布作業を行います。薄膜状の接着フィルムをつくるスリット型のノズルと、点接着や線接着に便利な丸口のノズルがあります。
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ノズルから直接塗布するだけでなく、フローガンとロ―ル、ハケなどを組み合わせることもできます。
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フローガンのコックを機械の流れに連動させ、被着材に対して接着剤を断続供給することもできます。
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フローコーター
接着剤を一定幅のすだれ状に連続して落下させ、その下に被着材をくぐらせて塗布するものです。適用されるのは平面状で、一度で広面積に、1分間150mのスピード塗布も可能で能率が良く、接着剤のロスも少なくてすみます。
(例:八二カムコアの塗布)
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