接着作業時に、誤って手や衣服などに、接着剤がついてしまうことがあります。
ここでは、そのような場合における接着剤の除去法について述べていきます。
接着剤除去の基本
接着剤は、どんな条件下でも、安定した強力な接着強さを発揮するように、研究開発が進められてきたため、容易にははがれません。また、接着剤は被着材の間に隠れてしまうので、仮に接着剤を溶かしたり弱めたりできる溶剤やはく離剤があっても、接着剤層に触れるのは非常に困難です。また、はく離剤を使うとき、被着材自身が溶けたり変形する可能性があります。被着材の変形などの問題を無視すれば、一般的に接着剤の組成分が溶剤に溶けることを利用して取りはずせます。
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形
(ボンド木工用)
でんぷん系
ポバール系 |
湯が最も効果的です。 |
ゴム系
(速乾ボンドG10Z(170mlはG10)、
ボンドG17Z(170mlはG17) |
トルエン、ラッカーシンナーで溶けます。専用うすめ液(ボンドGうすめ液)もあります。 |
溶剤系
(ボンドK10、ボンドK120) |
MEKなどで除去できます。「ボンドK10」、「ボンドK17」はアルコール、「ボンドK120」は酢酸エチルを使用します。 |
ホットメルト系
(ボンドホットメルト) |
加熱しながら除去します。 |
シアノアクリレート系
(ボンドアロンアルファ) |
「アロンはがし液」やアセトン、マニキュアの除光液である程度柔らかくしてから除去します。サイズが小さく煮沸に耐える物は1〜2時間煮沸します。 |
エポキシ樹脂系
(ボンドEセット、ボンドクイックセット) |
溶剤に溶けないので物理的(機械的)に、はく離の力や衝撃を加えたり、接着層を加熱したり、強性的に燃焼させて取ります。長時間ケトン系(MEKなど)の溶剤に浸漬し、柔軟後削り落とす方法もあります。 |
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