種類の判別 |
プラスチックの種類は非常に多く、種類によって接着剤や接合法も異なり、接着できないものや接着してもはがれやすいものがあるのでご注意ください。 |
接合方法 |
- 溶剤法(ソルベント法)
熱可塑性樹脂のうち、溶剤に溶ける物に適用しますが、接着のタイミングと変形、クラックにご注意ください。
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接着剤法
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ドープセメント法
プラスチックの原料を種々の溶剤に溶かした接着剤で、溶剤法ではクラック、白化、ひずみを生じやすく、すき間がある場合は接着が困難ですが、ドープセメント法により解消します。熱硬化性樹脂には不適です。
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通常の接着剤法(極性接着剤法)
溶剤法やドープセメント法、加熱融着法では接着できない熱硬化性樹脂に適用できます。主としてエポキシ樹脂系接着剤が利用されます。
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加熱融着法(ヒートシール法)
加熱すると軟化する熱可塑性樹脂の性質を利用した接着法です。
通常では接着しにくいポリエチレン、ポリプロピレンにも適用できます。電熱法、インパルスシール法、高周波法、超音波法、電磁誘導加熟法、赤外線シール法などがあります。ただし、硝酸セルロース(セルロイド類)は火災の危険があるため不適です。
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表面処理 |
プラスチック表面に存在する可塑剤、充てん剤、その他成型時に使われる離型剤は、必ず事前に溶剤などで拭き取るか、サンドペパーで研磨します。溶剤は、プラスチックの種類によって溶けやすいものは避けてください。 |
発泡プラスチックについて |
発泡プラスチックは非発泡物に比べて同一素材でも、溶剤により変形しやすいので注意が必要です。特に発泡スチロールはアルコール、石油系(ベンジンなど)以外の溶剤によって簡単に変形、溶解するのでこ注意ください。
※発泡スチロールに使用できるボンドコンクリボンドK10、ボンドK110、ボンドG2002、ボンド発泡スチロール用、ボンドCH系 |
プライマー
(下地改質剤・下塗り剤) |
プラスチックと接着剤の両方に親和性のあるものをプライマーとして下塗りし、接着性を向上させます。当社には従来エポキシ樹脂系接着剤では完全接着が困難であった一般熱可塑性樹脂を接着するために、「ボンドプライマー80」があります。
※ボンドプライマー80で下地改質する被着材硬質塩化ビニル、アクリル、ABS、AS |
白化現象
(かぶり・ブラッシング) |
スチレンやアクリルのように透明な無定型プラスチツクの接着時は、表面に空気中の水分が凝結して白化しやすくなります。湿気の少ない条件で作業するか、溶剤成分の少ないものや揮発速度の遅い溶剤を使用したものを使います。 |
ソルベントクラック
(ひび割れ) |
ポリカーボネートのように、耐溶剤性の悪いプラスチックおよび成型や加工の際の残留ひずみが残っているプラスチックは、接着後、ひび割れを生じることがあるので、適当な蒸発速度の接着剤、または無溶剤形接着剤を使用します。 |
可塑剤の移行(軟質塩ビ) |
被着材に含まれ手可塑剤が接着剤層に移行し、接着剤の軟化や接着強度を低下させることがあります。例えば、軟質塩化ビニルに対してはクロロプレンゴム系接着剤(速乾ボンドG17Z(170mlはG17)は不適当で、ニトリルゴム系(ボンド G103)や「ボンドビニル用」、「ボンド多用途」を使います。 |
一般的には接着できないもの |
シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレンなどです。
ポリエチレン、ポリプロピレンは「ボンドアロンアルファ・プラスチック用」である程度の接着が可能になり、シリコンやナイロンは「ボンド MOS7」で接着できる可能性があります。 |